はるまきさんの記録

自死遺族として考えたことを記録します。

2019-01-01から1年間の記事一覧

自死遺族である母と私と祖母の関係

父が自殺をして1年が経ったけど、時間の経過によって何も変わらないし、むしろ時間が経つほどに悲しみが積もっていくようです。最近はこんなことばかり書いていますが、私が考えていることは堂々巡りを繰り返しているので、仕方がないのかなぁとも思います。…

命日と後悔と

先日、父の命日でした。 母に確認すると、「たまたま休みになった」ということでしたので、平日でしたが私も休みをとって前日の夜から実家に帰ることにしました。その日は、父のお墓と仏壇に備えるための花を母と買いに行き、父の墓参りにいきました。その後は…

私が父の自殺について話し始めた理由

昨年の11月、私の父は首を絞めて自殺しました。 大きな不自由もなく、温室育ちを自称していた私としては、人生において初めての衝撃的な出来事でした。本当に父の自殺は残念でしたし、悲しかったです。このブログに書いてきているように、私の中はまだまだぐ…

1周忌と私の現在地

実際の命日は11月の下旬ですが、先日、父の1周忌を行いました。 家族と親戚合わせて十数人が集まって法要を行い、納骨をしました。母と兄と私で選んだ暮石は、青空の下で輝いているように見えて、良かったなと私は思いました。 なんだか最近家族や親戚が増え…

一緒に答えを探していこう

答えはこのブログにも、自死遺族の会にもなかった。 あなたはそんなの当たり前だよって思うかもしれない。でも私は本気でなにかがわかるような気がしてこのブログへ父の自殺について文章を書いていたし、何度も自死遺族の会へ行って話をしていた。外に救いを…

一年が経ち、孤独感は増し、

あとひと月ほどで父が自死をしてから1年が経ってしまう。 あれから私はなにも変わってなくて、むしろ虚しさや孤独感が大きくなるばかりです。 確かに緩やかな忘却があって、自死遺族であることに対する慣れは大きくなってきているけれど、それに伴って孤独感…

にゃにがにゃんだーにゃんだーかめん

それと同じころ、「物質」の究極の原理を追い求めていた、ある年老いた物理学者が、不可解な発見をした。「物質」を形作っている、もっとも小さく、それ故、もっとも根源的な「もの」でもある、一群の粒子の中のひとつが、いつの間にか消失していたのである…

寄り添うこと。

私は父を亡くした自死遺族ですが、母は夫を亡くした自死遺族です。 2か月前、母から「精神的に境界線上にいる」と告白されました。親戚と一緒にお出かけをしてその帰り、カフェで一息ついている時でした。 母は正社員として働いているのですが、少しハンデが…

父が自死をした日

父が自死した日を記録します。父の遺体に再会するまでを書いていますので、読まれる際はご注意をください。 父が自死をしたのは11月の末でした。場所は埠頭近くにある公園の公衆トイレ内で、死因はトイレの手すりにメジャーをひっかけて首を絞めたことでした…

ありがとう。さよなら。愛してる。

辛い時には魔法の言葉を口ずさもう。 ありがとう。さよなら。愛してる。

生きることを肯定するために

生きることを肯定すること。 これが私の人生のテーマだ、と以前このブログに書きました。harumaki12.hatenablog.com この肯定は、自分自身と大切な人の生に対する肯定です。 今回はそれ以降の話、具体的にどんな風にしたら自分自身の生を肯定することができ…

やりきれなさを抱いて生きる

父の初盆の仏壇の前で正座をしていると、自然と「ばか。」という言葉が出てきます。 なんで自殺したのでしょう。今まで色んな風に考えてきたように、苦しいこともいっぱいあったと思うし、私はそれに気がつけなかった。その後悔ももちろんある。でも仏壇を前…

あなたも一人じゃないよ。

父が自殺をしてから、「自殺」や「自死」などの言葉で検索をしてネットを彷徨うことがあります。個別のブログに言及することはできないけれど、このところ、NHKが運営しているこのサイトをよくのぞいています。 https://www6.nhk.or.jp/heart-net/mukiau/mes…

父を自殺で亡くした私に何ができるか

先週は自分の気持ちがぐちゃぐちゃに大きくなりすぎて、壊れてしまいそうだった。 息が詰まりそうで、深呼吸をしてみても、息が詰まりそうで、本当に苦しかった。 父が死んでから、初めて知った感覚がたくさんある。爆発しそうなほどの悲しみに叫び出してし…

そこに私はいない。

私はもう前に進んでるぜ。 って、そんな風に格好よく言いたいのですが、父が自殺をして7か月が経とうとしているいま、私はまだまだそこにいるようです。すごく進んだように思える時もあれば、後退している時もあるように思います。何かがわかったような気が…

ロベルト・ボラ―ニョ『2666』

長かったけど、最後の部を読んでそこまで読んだ甲斐があったように思うし、おもしろかった。でもとにかく長い。855ページの2段組み。ハードカバーなのだけど、本の厚さを測ってみたら5センチもあった。実に1月半くらい読んでいたかなぁ。本を読むことをした…

悲しいことへの向き合い方

悲しいことへの向き合い方は人それぞれに違う。当たり前だけれど、感じ方、考え方は違う。家族であっても、恋人同士であっても、思いが通っていたとしても、違う。その向き合い方と、その違いから生じることについて考えを記録しておきたいと思う。(ひょっ…

最後の瞬間

時々、父の最後の瞬間とその瞬間へ至るまでの父の行動のことを考えます。 首つりについて 病院で受け取った「死体検案書」には死因として、「非定型縊死」とありました。縊死という言葉、この時まで私は聞いたことすらなかったので、調べてみると、縊死とは…

一切は流れていきます

私の父は昨年末に自殺しました。 それまでは一人暮らしをしていたけれど、実家に戻り母と4ヶ月一緒に暮らしました。父の自殺の兆候に気がつけなかったこと、助けてあげられなかったこと、家族と言えども根本的には理解できないのではないかと思っていること…

生きることを肯定すること

生きることを肯定すること。 これが私の人生のテーマだ。なんて最近考えるようになった。 なぜそんな風に考えるようになったのか。きっかけは、新海誠展に行った時に見た秒速5センチメートルに関するインタビューの抜粋。 「当時強く思っていたのは、「こう…

なんで人は自殺するのだろう。

会社へ向かって歩いている時にこの疑問が頭に浮かんだ。なぜだろう。とてもむつかしい気がする。 生きるのが嫌になったから。 死ぬことしか考えられなくなってしまっているから。 死ぬしか選択肢がないから。 復讐として。 けじめとして。 自分が死ねば全て…

夏目漱石「こころ」

私の読んだ感想を書くことがおこがましく思われるほどに有名な作品。でもここは私の備忘録的な場所なので仕方がない。 〈おすすめしたい人〉 救いのない物語を読んでずぅーんとしたい人 〈内容その他 ネタばれあり〉 まずはあらすじの前に物語の構成を。物語…

綿矢りさ「ひらいて」を読みました

〈読んで欲しい人〉 報われない恋に破れた人 〈内容〉 主人公は計算高いようで感情のままに生きている女子高生(愛)。好きになった男子(たとえ)には恋人(美雪)がいた。なんとか彼(たとえ)に振り向いてもらおうと彼の恋人(美雪)に接近、不器用ながら…

「かぐや姫の物語」を今さらながら考える

今さらですが、私は「かぐや姫の物語」(高畑勲監督、2013年)が好きです。 初めて見たのは劇場で。その時も涙しましたが、今までに何回か見て、その度に涙を流しています。 今まで、これは人生賛歌だと、なぜだかそんな風に思いながら感動していたわけです…