はるまきさんの記録

自死遺族として考えたことを記録します。

感情の抱え方について

先日、カウンセリングへ行ってきた。
地域の繁華街にあるビルの一室を利用して営業しているような、そんなところ。時間は1時間20分で、初回割引が効いて9000円。
こういったところへは初めて行ったのだけど、行って良かったとは思ってる。ひょっとしたらもう一回行くのかもしれないなと思うくらいに。
行くまでの気持ちや行って話したこと、カウンセラーの方と話す中で思ったことを記録しておこうと思う。

 

行くまで
自殺した父のことについて、昨年末から考えることを辞めていた。父を助けてあげられなかった、わかってあげられなかった後悔のことを考え始めるとどうしようもなくなってしまって、ただ落ち込んでしまう状態になってしまっていたから。
父が死んで1年と数か月が過ぎて、僕は「考えないようにする」ということができるようになってしまったなぁと思う。それでもちゃんと向き合いたいと思っていて、そう考えた時に、もう一人で考えているだけではだめだと、らちがあかないと思った。だからカウンセリングを受けに行こうと思った。簡単に言えば煮詰まった。
そう思ってからはすぐだった。カウンセリングで調べるとたくさんのカウンセリングルームの情報が出てきた。少しそれぞれの評判を調べてから、えいや!と一つに決めて、えいや!とカウンセラーを選んでネットで予約した。カウンセリングの日は予約した日の4日後くらいだったと思う。仕事を半休にして、行った。

 

行ってから
特に話す内容については決めていなかった。でも全てを話そうと思ってた。
実を言うと、自分の気持ちを書くために書き始めたこのブログにすら、僕は全ての気持ちを書くことができていない。というか、本当はある大きな気持ちを隠してた。それはとてもじゃないけど言えない、書けないと思ってた。
一人称についてもそう。最初はこのブログは自分にとって公的なものだと思っていたので、一人称を「私」として書き始めたけれど、なんだか途中くらいから、その「私」が自分じゃないような感じがしてた。もちろんそれも私の一部ではあるのだけど。
まぁそれは置いておいて、全ての気持ちを書けていないっていう話。
私はこんな風に自死遺族としてのブログを書いているけれど、父の自殺と同じか、それ以上にある女性とのことを想ってる。以前この記事

 

harumaki12.hatenablog.com

 

で書いた方なのでここでは詳しくは書かないけれど、私は彼女との関係の中で本当に多くのことを教えてもらった。
自分が人をここまで好きになれるんだということを初めて知ったし、そこには初めて見る自分がたくさんいた。恋愛映画や恋愛小説の本当の意味が分かったし、生きる意味が分かったような気さえした。相手を思いやり、向き合うということはどういうことなのか、その覚悟と愛を教えてもらった。私が今までに経験したことのない強烈な恋愛だった。
そしてそんな恋愛が終わったころに父は自殺した。父が自殺したその日、彼女は遺体を引き取りに行った警察署まで来てくれて一緒に泣いてくれた。
その後、このブログに色んなことを書いてきたけれど、正直、父のことを考えているのか、彼女のことを考えているのか、もう僕にはずっとわからなかった。むしろほとんど彼女のことを考えていたと言っても良いのではないかと思う。父のことと合わせてそんな話をした。
全ての話をしたのは初めてだった。色んな友達にも、その人に合わせてどちらか一方を話していたから。

 

カウンセラーの方の話
たまたまと言って良いのか、カウンセラーの方も自死遺族だった。むしろ自死遺族だったからこそ、カウンセラーになったのかもしれなかったけれど、そのカウンセラーの方は母と同じくらいの年齢で、ご自身の体験も話してくれた。
上記の私の話に対する話として印象的だったのは、「その感情をどう抱えて生きていくか」という話。
私はまず父の話をした。その後に好きだった女性の話をした。一つずつ質問をされる。

カウンセラー「父のことを乗り越えたいと思っていますか?」
私「乗り越えたいとは思っていなくて、父が自殺してしまった事実は変わらなくあるので、それならそれを大切にして、生きていきたい。父が死んで初めて知る感情、気が狂ってしまうんじゃないかっていうくらいの感情や、叫び出してしまいそうな感情があることを知った。」

カウンセラー「彼女とのことをどうしたいですか?」
私「正直彼女のことはまだ好きです。でも彼女とまたどうこうなりたいとは思っていなくて、本当に感謝しているんです。これほどまでに人を好きになれるんだって初めて思ったし、色んなことを教えてもらった。会ったら、ありがとうってことと、助けてあげられなくてごめんねっていう言葉を伝えたいです。」

私「この1年半ですごく色んなことがあったけれど、その分初めて知る感情や考え方を知ることができて、それは辛いことも多かったけれど、良かったんだと思います。そういう感情や考え方を知れたからこそ、人生が豊かになったと思うんです。」
カウンセラー「そうですね。そんな風に色んな感情を知って人生が豊かになった。彼女に対する気持ち、好きっていう気持ちはどうしてもある。お父様のこともそうですが、それなら、その感情を認めて、それをどう抱えて生きていくか、考えていくと良いかもしれないですね。」

 

どう抱えて生きていくか、このことを聞いた時、あーそこは考えてなかったわーみたいな気持ちになりました。彼女に対する好きっていう気持ちも、父に対する後悔も、それはどうしようもなくここにあって、その感情の前に僕は身動きがとれないでいるだけだったのです。
その感情をどう抱えて生きていくか。
いつもどこへでも持って歩くのか、額に入れてお部屋に飾って毎日眺めるのか、宝物みたいに箱に入れて大切に押し入れへ仕舞い、時々それを開くのか。
その答えが今の私にあるわけではありません。多分その時々の気持ちで大きく変わりさえする。でも、その感情はどうしようもなくここにある。それならその感情とどんな風に付き合っていくか。抱えていくか。それを考える段階に自分は来ているのだなと思えるようになった。自分が楽になれる抱え方。自分が納得できる抱え方。彼女に、父に対して誠実な抱え方。色々あると思う。
この感情は一生ものだと思う。私を私たらしめる感情であると思う。私はこの感情をうまく抱えながら生きていきたいなと思う。

カウンセラーの方に父のことと好きだった女性のこと、どちらをまず整理していくと良いのでしょうか?と聞いたら、まずは彼女のことですね。と言われた。
やっぱなぁ。失恋ブログになっちゃうね。