はるまきさんの記録

自死遺族として考えたことを記録します。

父の自殺とインターネット

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

2018年11月父が自殺した。
父の自殺は私の人生で最も衝撃的なできごとで、それからしばらく、私は正解を求めてインターネットをさまよった。
結論から言えばここに正解なんてなかったけれど、インターネットにはブログや掲示板というものがあって、そこにはどうしようもない思いが溢れてた。思いに強く共感し、読むだけで涙が溢れてしまうものがあった。どこかの誰かが書いた文章に私は救われた。
悲しみに押しつぶされてしまいそうな文章や、苦しい自責の念にとらわれた文章があり、なんとかして歩き出そうともがく文章があった。私たちにはそれぞれに異なるストーリーがあったけれど、大切な人を自殺で亡くしたという共通項があった。私は一人じゃないって思えたし、考え方を転換させられる発想や、生きるヒントをたくさんもらった。
一通り読んで回った後、私は私のために私の話をブログに書きたくなった。
自分の気持ちに向き合いながら、時にその気持ちに押しつぶされそうになりながら、私は文章を書いた。私にとってブログに文章を書くことと話すことは一体だった。ブログに文章を書き、通っていた自死遺族同士の分かち合いで話をした。話を聞き、話をすることに大きな力があることを私は初めて知った。その過程はとても苦しいものだったけれど、自然と自分が前向きになっていくのが感じられ、悩みながらも、これからを生きる理由を見つけられた。
いま、私は時々こんな風にインターネットへ文章を書いている。誰かが私の文章を待っているわけではない。でも、私が誰かの文章に救われたように、私の文章がどこかの誰かのためになったら嬉しい。
インターネットがあって良かった。
あなたにとって私はどこかの誰かであると思うけど、私はここであなたと一緒に生きていきたい。そんな風に思っている。